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  日本核医学技術学会 関東地方会  
 
   The Japanese Society of Nuclear Medicine Technology 
                会長挨拶
 

    

                                         日本核医学技術学会関東地方会  

                                                会長 小池克美(さいたま赤十字病院) 

 

 令和4年度総会にて、令和5・6年度の日本核医学技術学会関東地方会の会長を拝命いたしました。歴史や功績ある本会を引き継ぐこととなり、改めて身の引き締まる思いでおります。これまで、事務局として本会の裏方に徹して参りましたが、会員の皆さま、幹事、役員の方々のご協力を賜りながら本会発展のために微力ながら尽力いたしますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

 さて、本地方会は、昭和59年6月に第1回日本核医学技術研究会関東地方会総会学術大会を茨城県の水郷で開催し、発足から約半世紀余りが経ちました。時代そして核医学を取り巻く環境も大きく変わりました。インビトロ検査もごく少数となり、会員の施設で行っているのは皆無となりました。インビボ検査もSPECTが中心となり、装置ではSPECT/CT、そして検出器もNaIクリスタルから半導体検出器が普及してきています。また、PETも全国に普及し、18F-FDGが主であるものの、今年は認知症治療薬が薬事承認されたことを受け、アミロイドPET、タウPETも注目を浴びております。アミロイドPETを行うにあたっては核医学会の撮像施設認証の取得が話題となっており、そのためにはファントム収集や収集条件の検証など核医学に携わる診療放射線技師の役割が重要になってきております。また、核医学治療いわゆるセラノスティクスが行われるようになり、医師に限らず診療放射線技師が薬剤師や看護師など、より多くの関係者と連携し、チーム医療として協働して行かなければなりません。核医学治療も今後新しい薬剤の開発が進んでおり、それに合わせてSPECT、PETの診断薬も開発されることが期待されます。

 

 本会を顧みますと、一時期270名を越える会員数も現在は170余名となっております。情報もいまやインターネットで容易に入手することができる時代となり、また各施設の現場ではローテーションが常となり、核医学に専従する診療放射線技師は少なくなってきていると思います。しかしながら、前述のとおりSPECT、PET、核医学治療における診療放射線技師の果たす役割は大きくなってきております。また、診療放射線技師法が改正され静脈路の確保や放射性医薬品の投与、投与後の抜針・止血の医療行為を我々診療放射線技師が行えるようになりました。これら核医学を取り巻く環境は大きく動いております。本部学会とも連携して、核医学の専門学会として学術大会・インフォーマルミーティングのみならず、ホームページなども駆使し、より多くの情報を発信して会員の皆さまのお役に立てる地方会として努めて参りますので、是非一緒に核医学を盛り上げて行きましょう。